公 示 | |||||||||
ダム工事総括管理技術者認定事業の要綱及び実施要領について、試験等の手数料等規程の一部を改正したので公示します。 | |||||||||
平成19年4月1日 | 財団法人 日本ダム協会 | | ダム工事総括管理技術者認定事業事務局 | ダム工事総括管理技術者認定事業の趣旨 |
ダムは地点毎に自然環境・水文・地形・地質が異なり、基礎岩盤や材料などに予見不可能なことも多い。堤体と基礎岩盤は強大な荷重や水圧に耐える強度や安定性、水密性、耐久性を要求され、ダム構築後はその内部の修復は困難である。設計が意図する品質は厳密なコンクリートの品質管理など高度の施工管理のもと、施工段階で造り込むことを要求される。水と自然を相手に治水・利水の安全と便益をもたらす最重要の構造物を造るダム技術は、総合性と厳密性を要する固有で特徴的な技術である。 | ダム工事は大規模で複雑な重要構造物を構築する総合工事であり、他の大規模土木工事と比較しても、転流工、原石採取工及び骨材、コンクリ−ト製造設備等の仮設備の施工に極めて高度な技術力を要する。近年、RCD工法、ELCM等合理化施工法の改良・進展、CFRDや台形CSGダム等への取り組み、地質条件の多様化等に対応した技術開発の導入等により施工技術が向上してきた一方、公共事業投資削減の動向の中、堤体及び基礎の設計・施工、施工設備、材料その他について一層のコストダウンが要請されている。 ダムサイトの条件等を適切に配慮した設計に従いダムの安全等の品質と機能を施工の場で造り込むためには、設計理念への理解力と企画・判断力、最適な施工計画・施工設備立案能力、錯綜する工種・工程を調整して施工する豊富な経験に裏付けられた高度の技術力と施工管理能力が、また、地震や洪水など如何なる事態が発生しても適切に対処できる危機管理能力が必要である。他方、地球環境保全や生態系の保護の要請も強まり、ダム工事の廃棄物の最小化やリサイクル、有効利用など、ダム工事が直面する課題は非常に複雑になっており、地域社会との融和や自然環境保全などに対応する実務能力も不可欠である。 このような状況の中で、ダム工事の元請け施工者の責任技術者として、所定の品質のダムを経済的、効率的かつ安全に建設する豊富な経験と高度の技術力及び技術者倫理を保持し、部下を督励して適正かつ円滑にダム工事を遂行し、現場事業所経営をも含む総括的管理業務を司る技術者の確保が、ダム工事の発注者及び施工者の双方から求められている。これに対処するためダム工事総括管理技術者認定事業を実施するものである。 |
要 綱 | |||
1.目的 | |||
財団法人日本ダム協会(以下、「協会」という。)は、ダム工事に関する高度の技術力と技術者倫理を保持し、品質と経済性に優れたダムを効率的かつ安全に建設するダム工事の総括的管理業務を司る技術者を養成し、もって施工者のダム技術者の知識及び技術の向上を図ることを目的として、ダム工事総括管理技術者の認定に係る審査、合格者の登録、証明その他必要な事業を実施する。 | |||
2.審査 | |||
審査は、ダム工事の基礎的知識・技術を問う1次審査と、ダム工事の専門的知識・技術を 問う2次審査により実施する。 | |||
(1) | 1次審査 | ||
ダム工事の基礎的知識・技術に関する多肢択一式試験及び小論文試験、又は多肢択一式試験及び小論文試験に代えて行う面接試験 | |||
(2) | 2次審査 | ||
ダム工事の専門的知識・技術に関する論文試験及び口頭試験 | |||
この審査・試験等は日本語で行う。 | |||
3.審査委員会 | |||
(1) | 審査等を行うため、審査委員会を設ける。 | ||
1) | 審査委員会委員は、学識経験者、ダム事業の関係機関等の役員・職員等のうちから、協会会長(以下、「会長」という。)が委嘱する。 | ||
2) | 委員の定数は15名以内とし、任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。 | ||
3) | 審査委員会委員長は委員の互選により選出する。 | ||
4) | 審査委員会は委員長が招集する。 | ||
5) | 審査委員会の権能は次のとおりとする。 @ 認定事業の実施方針・実施計画等の決定 A 受験者の資格要件の審査 B 試験問題の作成、審査の実施、合否の判定及び資格認定 C その他、審査等に関する重要事項の審議・決定 | ||
(2) | 審査委員会の下に試験問題作成幹事会を設ける。 | ||
1) | 試験問題作成幹事会幹事は審査委員会が推薦する審査委員及び関係機関等の職員のうちから会長が委嘱する。 | ||
2) | 幹事の定数は8名以内とし、任期は2年間とする。ただし、再任を妨げない。 | ||
3) | 幹事会の長は幹事の互選により選任する。 | ||
4) | 幹事会は試験問題案を企画・検討し、審査委員会に報告する。 | ||
4.現地研修 | |||
2次審査合格者を対象にダム現地において、設計・施工技術の実地指導及びダム工事総括管理技術者が知悉しているべき事項を教授するため、現地研修を実施する。 | |||
5.合格者の認定 | |||
審査委員会は2次審査に合格し、現地研修を修了した者について、最終合格者として認定する。 | |||
6.称号の付与、登録及び証明 | |||
(1) | 会長は、認定に係る審査等に合格し、現地研修を修了した者について「ダム工事総括管理技術者(Certified Chief Managing Engineer for Dam Construction )」の称号を付与して登録原簿に登載し、認定証及び登録証明書を交付する。 | ||
(2) | 登録の有効期間は5年とする。 | ||
(3) | 会長は登録したダム工事総括管理技術者について、協会の機関誌及びホームページ等で公示する。 | ||
7.合格者の知識及び技術の維持に関する措置 | |||
(1) | 会長は登録後5年を経過した者に対し、知識及び技術の維持のための講習会を開催するものとする。 | ||
(2) | 会長は講習会を受講した者について、登録を更新する。 | ||
8.その他 | |||
小規模ダム工事総括管理技術者の登録更新は、7.に準じて実施する。 | |||